TellAria

迷子の竜と少女

竜を群れに帰すか、共に旅を続けるか、少女は迷う。

Beginning

陽菜が、みんなと、はぐれたことに、気づいたのは、山の、日が、傾きはじめた、ころだった。

クラスの、登山遠足。珍しい、蝶を、追いかけて、ほんの、少し、道を、それた。ただ、それだけの、つもりだった。だが、気づけば、まわりは、見たことのない、深い、木立ばかり。呼んでも、だれの、返事も、なく、木々の、あいだを、風だけが、さびしく、通りぬけていく。

「どうしよう……道が、わからない」