校庭のタイムカプセル
過去の約束を守るか、変わった自分を受け入れるか、主人公は迷う。
Beginning
十年ぶりに立った母校の校庭は、記憶よりもずっと小さく見えた。
私が中学を卒業したのは、十五歳の春だった。あれから十年。二十五歳になった私は、いま、なつかしい桜の木の下に、クラスのみんなと、久しぶりに集まっている。あの日、私たちは、この桜の木の根元に、タイムカプセルを埋めた。「十年後の三月、また、ここに集まって、掘り起こそう」。それが、三年二組、三十人の約束だった。
正直に言うと、私は、この日が来るのが、少しこわかった。