なきむしドラゴン
強くなるために戦うか、ありのままの自分を受け入れるか、ドラゴンは迷う。
Beginning
むかしむかし、たかい山のうえに、小さなドラゴンがすんでいました。なまえはポポといいます。ポポのからだは、はっぱのようなみどり色で、とてもきれいでした。せなかには小さなつばさがあって、しっぽはくるんとまるまっていました。目は大きくて、いつもうるうるしていました。ポポは、心のやさしいドラゴンでした。でも、ポポにはひとつ、こまったことがありました。ポポは、火をふくことができなかったのです。
ほかのドラゴンたちは、みんな大きな火をふきました。口をひらくと、あかくて、あついほのおが「ゴオオッ」と出ました。そのほのおで、さむい夜もあたたかくなりました。やけたお肉は、とてもおいしくなりました。みんなはほこらしそうに、にっこりわらいました。でも、ポポが口をひらくと、出てくるのは小さなけむりだけでした。「ぷしゅう……」と、しろいけむりがすこし出て、すぐにきえてしまうのです。
「ねえポポ、火がふけないの?」と、ある日、ほかの子どもドラゴンがききました。ポポはかなしくなって、目になみだがたまりました。「うわあああん」と、ポポはなきました。なみだがぽろぽろと、ほっぺたをながれて、いわのうえにおちました。それを見て、ほかのドラゴンたちは大わらいしました。「ポポはなきむしだ。火もふけない、なきむしドラゴンだ!」みんなはそういって、とんでいってしまいました。